悲劇

2004年11月14日 In my life
世の中であきらかにカツラとわかる人は
なぜ、カツラだとわかるカツラを被っているのだろうか。

うちの近所にあきらかにそれとわかるカツラを被ったおじさんがいた。
どっかの印刷会社の社長だという話。
60は越えていると思われる。
いつもキャップを被っているけど、髪の毛の後ろの裾の部分が不自然に浮き上がっている。
そんなおじさんの頭はある日カツラをやめた。
そのおじさんの息子曰く「親父、アデランスやめたんだ(笑)」

なぜ、おじさんはアデランスをやめなくてはならなかったのか。
おじさんはよく近所のスナックを飲み歩いていた。
酔っては夜中大声で怒鳴りながら家に帰ってきた。
ある日いつものようにスナックに飲みに行ったおじさんは、ひょんなことから飲みに来ていた別の客と口論となり、挙げ句の果てには取っ組み合いの喧嘩になってしまった。
もみ合いになるさなか、おじさんの必死の抵抗もむなしく喧嘩相手の酔っぱらいにカツラをむしり取られ
トドメにそのカツラを店の外へほうり投げられてしまった。
力いっぱい投げられたおじさんのカツラ
大遠投の末、歩道を通り越し車道へと消えた。
いたたまれなくなったおじさんは家に走って逃げ帰った。

次の日そのおじさんはスナックの前で投げられたカツラを探したが。
おじさんのカツラ忽然と姿を消したらしい。

その日以来おじさんはカツラをやめ
バンダナにキャップというHIP HOPスタイルに変わった。

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